バルセロナの黄金時代を築いたカピタン、シャビ・エルナンデス。
選手としては、世界中の誰もが認める素晴らしい選手だが、現役引退後すぐに監督となり、まだ監督としての経験は浅いと言える。
そんなシャビがバルセロナの監督に就任することが決まった今、彼の監督としての手腕についてまとめてみました。
Embed from Getty Images監督を務めたクラブ
1415シーズン終了後、プロとして17年間を過ごしたバルセロナを退団し、カタールのアル・サッドへと移籍する。
新天地での背番号も6。アル・サッドでは2019年までプレーを続け、現役生活の幕を閉じた。
Embed from Getty Imagesしかし、現役引退後、そのまま同年5月28日にクラブの指揮官への就任が発表された。
そして、バルセロナの監督として招聘される2021年11月上旬までの間、およそ2年半に渡って同クラブで指揮官を務めた。
従って、シャビはアル・サッドでしか監督を経験したことがなく、欧州の主要リーグなど、世界的なビッククラブでの監督経験はまだない。
バルセロナの哲学そのものとも言えるシャビではあるが、監督としてバルセロナに戻ってくるのは少し早すぎるようにも感じる。
そこで、次にアル・サッドで監督として手にした実績を見ていく。
アル・サッドでの実績
Embed from Getty Images監督としての経験が浅く少し心配に感じていたが、それは全くの杞憂かもしれない。
就任初年度は、序盤の成績が上がらず、ファンから解任の声が出るほどで、カタールリーグは3位で終えた。
2年目の2021シーズンには国内リーグの無敗優勝に加え、アミールカップ(コパ・デル・レイに当たる)およびカタールカップ(スーペル・コパに当たる)でも優勝し3冠を獲得した。
リーグ戦では、19勝3分、得失点差+63(得点77 – 失点14)という恐るべき数字だった。残り4試合を残した時点で優勝が決まった。
今季2122シーズンは11月4日の第9節まで監督を務め、8勝1分の首位で終えた。今季初の引き分けは最後の試合で、移籍騒動のゴタゴタがあったので仕方がなかったと言えるだろう。
ここまでリーグ戦37試合で無敗のままの退団となった。
また、退団直前の10月22日には、ローラン・ブラン監督率いるアル・ラーヤンをPK戦の末に破り、アミールカップの優勝を手にした。監督として7個目のタイトルになる。
ブラン監督はフランス代表やパリSGなどで監督キャリアを積んでいるほか、アル・ラーヤンは今夏にハメス・ロドリゲスが加入しており非常にレベルの高いチームだったと言えるだろう。
その相手に対してPK戦の末の勝利をなんとか掴んだ。
しかし、ACLでは初年度の2019年にベスト4に入ったが、2020年にはグループステージ敗退、2021年は3勝1分2敗でグループ暫定2位とあまり成績が振るわなかった。
簡単にここまでのシャビ監督の実績をまとめると、各国の上位チームと対戦するACLでは成績が振るわず、国内では素晴らしい成績を挙げたと言えるだろう。
選手の質の問題もあるとは思うが、強いチーム相手に勝つことができないというのは懸念材料と言えよう。
監督としてのタイプ
選手時代も細部にこだわり、中盤でゲームをコントロールしていたシャビは、やはり戦術家としての側面を強く持った監督だ。
インタビューで彼は、ボールを支配することの重要さについて話している。
私のチームはボールを支配しなければならない。 支配できていない時は物事が上手くいかない。 だから、ボールを支配するとともにゲームを支配できるようにできる限りの手を尽くす。 チームをどのように整えるか。 システムがどうであれ、大事なのはスタイルだ。 私はボールを支配することに重きを置いているが、ただ所持するだけではない。 攻撃をし、チャンスを作り、相手の弱いところを突く。
各局面で数的有利を作り続けるために3ラインを調整していく、それをひたすらにやり続けると言う。
シンプルではあるが、それこそサッカーにおける戦術の本質であり、それを高いレベルでこなすことのできる選手が揃っていれば、勝利に近づくことは間違いないだろう。
まとめ
シャビの監督としての腕前について見てきたが、思想・思考レベルでは非常に高いレベルにあると言えよう。
また、結果という意味でもすでに7つのタイトルを取っていることから証明されているが、欧州での経験やビッククラブを率いた経験がないため、いまいち懸念は残る。
しかし、今や誰もが憧れる監督であるペップ・グアルディオラ元監督や、バルセロナで素晴らしい功績を残したエルネスト・バルベルデ元監督のように、経歴が浅いにも関わらずバルセロナで素晴らしいインパクトを残してきた監督がいることを考えると楽観視できるのかもしれない。
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