ハイライト動画|シャビ・バルサの限界が見えた?
12月9日(木)のミッドウィークに重要なCLバイエルン戦を控えるバルセロナは、ホーム、カンプ・ノウで今季好調のレアル・ベティスを迎え撃った。
本記事ではラ・リーガ第16節のバルセロナとベティスの一戦から見えたシャビ監督率いるバルセロナの分析を行なった。チャンピオンズリーグのグループステージ突破がかかった一戦に向けて、どういった課題が浮き彫りになったのだろうか。
マッチレビュー
ぺドリとアレクシア・プテジャスの受賞セレモニー
試合開始前には、コパ・トロフィーを受賞したぺドリと、女子バロンドールを受賞したアレクシア・プテジャスのセレモニーが行なわれた。
ぺドリはコパ・トロフィーのほか、ゴールデンボーイ賞も受賞しており、いずれも2位のジュード・ベリンガムと2倍以上の大差をつけている。
コパ・トロフィーは若手版バロンドールと言われており、ゴールデンボーイ賞はヨーロッパでプレーする最も活躍した21歳以下の選手に贈られる賞であり、ぺドリはヨーロッパ内外合わせて2021年、若手一番の選手だったことを示す結果となった。
また、バルセロナの女子チームに所属し、スペイン代表にも名を連ねるMFアレクシア・プテジャスは、今回が初めてのバロンドール受賞となった。
彼女は2021シーズン、MFでありながら26ゴールも得点を決めた事を評価され、UEFAのプレーヤー・オブ・ザ・イヤーとミッドフィルダー・オブ・ザ・イヤーにも選出されていた。
チームとしては、チャンピオンズリーグの初優勝を飾っているほか、今回のバロンドールでも上位5人中3人もバルセロナの選手だった。
ちなみに、男子バロンドールを受賞したのはメッシだったことから、彼がバルセロナに残留していれば3冠となっていたことを考えると、やはりメッシが移籍してしまったことは非常に残念に思う。
バイエルン戦を見越したターンオーバー
では、試合内容について振り返っていこうと思う。
この試合、シャビ監督はCLバイエルン戦を見越して、ターンオーバーを行なってきた。デ・ヨングら主力の選手を何人か休ませ、コウチーニョらを先発させた。
両チームのスタート時のフォーメーションは以下の通りだ。


ブスケツやアルバ、デパイなどは最低限のプレーができる代わりの選手がいないため、そのまま出場したが、ピケとエリックの2CBやデ・ヨングはベンチスタートとなり、休息を与えられた。
しかし、このターンオーバーが裏目に出てしまう。後半にはデ・ヨングやデンベレを投入して攻撃が活発になったが決め切ることができずに先制点を奪われてしまう。その後、慌ててピケを投入したが、結局0−1での敗戦となってしまった。
決定力不足
やはりこの試合でもバルセロナの決定力不足が目立った。左サイドを中心に攻撃を組み立て、アルバから良いクロスが何度も上がっていたが、本職のストライカーがいないことで、先制点を決めて試合を有利に進めることが叶わなかった。
デパイがCFのポジションにいるが、彼はどちらかというと中盤の組み立てに関わる特徴があり、ゴール前でも抜群の決定力を見せるというほどでもない。仕方ないが、やはりスアレスやメッシ、グリーズマンらと比べると力不足感が否めず、バルセロナのストライカーとしては頼り甲斐に欠ける。
一方で、シャビ監督になって以降、デンベレが攻撃の要としてもてはやされているが、彼がバルセロナのアイコンとなるのは難しいだろう。相変わらず規律違反が目立つことに加え、試合感がまだ完全に戻ったとは言えない。後半から出場すると、持ち前のテクニックとスピードでチャンスを創出しはするが、周りのサポートがなく孤立していることもあり、得点を決め切るまでには至らない。シャビ監督がデンベレ一本でゴールを奪おうという安易な考えを持っているかのようにさえ見えてしまう。
これまでの試合を見る限り、もっともゴールに近かったのはアブデとアコマック2人の若手だ。どちらもクロスからゴール前でフリーで合わせるだけだったがふかしてしまっていた。デンベレ一本に頼るよりも、こういったゴール前でのワンタッチシュートの練習を中盤、前線の選手に徹底して行うことにより得点を重ねることができるようになるのではないかと考えている。
試合終盤の交代策
試合終盤、バルセロナは主力の選手を投入したほか、ルーク・デ・ヨングも投入し、2CFを置く形にした。
しかし、ルーク・デ・ヨングは技術的に試合に溶け込むことが難しく、2CFの効果はあまり出ていなかった。前監督と同じことをして批判を浴びることを嫌ったのか、クロスボールを放り込んでヘッドで合わせるというシーンは少なかったが、万策尽きてルーク・デ・ヨングを入れている時点でクーマンと大差ないように感じられた。
怪我人が多く、試合に使える選手がいないため、策がないのは仕方ないとも擁護できるのだが、バイエルンに勝つつもりでいるのならば、勝てるだけの戦術や選手の頑張りを見せて欲しいとファン心に思う。
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