フルマッチ動画|バルベルデとロペテギの監督の采配が勝敗を分けた。
1819シーズンの前半戦のエル・クラシコ。
バルセロナはリオネル・メッシが欠場し、レアル・マドリーはクリスティアーノ・ロナウドがユヴェントスへの移籍後でいないという、今まで両チームのシンボルであった2選手が不在の一戦となった。
試合前情報
メッシとロナウドのいない3957日ぶりのエル・クラシコ
バルセロナのリオネル・メッシとレアル・マドリーのクリスティアーノ・ロナウド。
バルセロナとレアル・マドリーの両チームで世界トップレベルの競争を続けてきた偉大な2人の選手がいない、3957日、およそ11年ぶりのエル・クラシコとなった。
10月25日の CL インテル戦に引き続き、メッシは怪我のためスタンドから見守ることとなった。
一方で、マドリーはシーズン前の2018年夏にロナウドがユヴェントスへと移籍したばかりだった。
基本情報
日程 2018年10月29日(月) 23時15分 キックオフ
スタジアム カンプ・ノウ
主審 ホセ・マリア・サンチェス・マルティネス
プレビュー
バルセロナ プレビュー
バルセロナは前節終了時点でリーグ首位に立っていた。しかし、直近のリーグでの試合の成績は1勝3分1敗と非常に微妙なものであり、2位アラベスや3位エスパニョールなどとの勝ち点差はほぼなかった。
一方で、10月25日の CL インテル戦では、メッシ抜きの中、試合内容も良く、2−0のクリーンシートで勝利を飾っていた。
バルベルデ監督は、昨シーズンの CL ローマ戦での大逆転による大敗以来、解任が囁かられており、直近の試合成績から、それも間も無くだとされていた。監督としては、そういった疑念を払拭するためにも、インテル戦での好感触をこの一戦につなげたいところだった。
レアル・マドリー プレビュー
マドリーは前節終了時点でリーグ9位とうだつの上がらない成績だった。また、直近のリーグでの試合成績は、1勝1分3敗であった。
夏の移籍マーケットでクリスティアーノ・ロナウドが移籍してしまい、監督も新たにロペテギ監督が就任した新シーズンは、最悪の走りだしとなっており、このエル・クラシコで勝利することによって、チームの雰囲気を良くしたいところだった。
また、ロペテギ監督は就任したばかりにもかかわらず、バルベルデ監督と同様にクビになる可能性が囁かられており、負けられない一戦だった。
スカッドリスト
バルセロナ スカッド
スターティング・イレブン
GK
- テア・シュテーゲン
DF
- ジョルディ・アルバ
- クレモン・ラングレ
- ジェラール・ピケ
- セルジ・ロベルト
MF
- セルヒオ・ブスケツ(C)
- イヴァン・ラキティッチ 🟨
- アルトゥール・メロ 後半39分 out (→アルトゥーロ・ビダル)
FW
- フィリペ・コウチーニョ 後半29分 out (→ウスマン・デンベレ)
- ルイス・スアレス 🟨
- ラフィーニャ 後半24分 out(→ネルソン・セメド)
ベンチメンバー
GK
- ヤスパー・シレッセン
DF
- チュミ
- ネルソン・セメド 後半24分 in(←ラフィーニャ)
MF
- アルトゥーロ・ビダル 後半39分 in (←アルトゥール・メロ)
FW
- ウスマン・デンベレ 後半29分 in (←フィリペ・コウチーニョ)
- マルコム
- ムニル・エル・ハダディ
監督
エルネスト・バルベルデ
レアル・マドリー スカッド
スターティング・イレブン
GK
- ティボー・クルトワ
DF
- マルセロ 後半37分 out (→マリアーノ・ディアス)
- セルヒオ・ラモス(C)
- ラファエル・ヴァラン 後半1分 out (→ルーカス・バスケス)
- ナチョ・フェルナンデス 🟨
MF
- カゼミーロ
- トニ・クロース
- ルカ・モドリッチ
FW
- イスコ
- カリム・ベンゼマ
- ギャレス・ベイル 🟨 後半32分 out (→マルコ・アセンシオ)
ベンチメンバー
GK
- ケイロル・ナバス
DF
- アルバロ・オドリオソラ
MF
- ダニ・セバージョス
- フェデリコ・バルベルデ
FW
- マルコ・アセンシオ 後半32分 in (←ギャレス・ベイル)
- ルーカス・バスケス 後半1分 in (←ラファエル・ヴァラン)
- マリアーノ・ディアス 後半37分 in (←マルセロ)
監督
フレン・ロペテギ
フォーメーション
バルセロナ フォーメーション
4−3−3のフォーメーション

レアル・マドリー フォーメーション
4−3−3のフォーメーション

試合内容・結果
試合のポイント
前半はバルセロナのペースで試合が進み、2−0でハーフタイムを迎えた。
そこで、後半の頭からロペテギ監督は3−5−2のシステムを起用し、サイドに大きく開いたLWBのマルセロとRWBのルーカス・バスケスを起点にゴールに迫った。
このシステム変更にうまく対応できずにバルセロナは、バスケスにサイドのスペースを使われ、反対サイドのマルセロにゴールを奪われた。
一方で、マドリーは3バックでバルサの3トップに対峙しなければならなかったため、前線からのプレスを抜けられた際には失点のリスクが非常に高いというハイリスクハイリターンの戦術だった。
結果として、後半25分頃まではお互いにチャンスとピンチが多発し、次の1点がどちらに入るかによっては勝敗がどちらに転がる分からない状況が続いた。
しかし、ここでバルベルデ監督が勝負に出る。
後半24分にラフィーニャに代えてネルソン・セメドを投入する。セメドは守備に専念させ、セルジ・ロベルトを守備時は右サイドハーフの位置に置く。攻撃の際には、セルジ・ロベルトは持ち前の運動量とスピードを活かして、RWの役割をこなす。
さらに、後半29分にコウチーニョに代えてウスマン・デンベレを投入する。マドリーが前がかりになって空いたスペースを利用して、スピードのあるデンベレがカウンターを仕掛けるという狙いだ。
この狙いがまさしく的中し、マドリーの守備の隙間をうまく抜けてデンベレに通ったボールからバルセロナの3点目が決まる。
この3点目が試合を決定づける大きな得点となり、その後も交代で入った選手が得点に絡んでいく。今回のエル・クラシコは「監督の勝負」だったと言えるだろう。後半立ち上がりから背水の陣の思いで、3−5−2にシステム変更をして、試合の流れを掴み取ったロペテギ監督だったが、バルベルデ監督はそれに対して非常にうまく修正を行なった。選手一人ひとりの戦術理解度も非常に高く、密度の高いとても面白い一戦だった。
ゴールシーンハイライト
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11分1−0 フィリペ・コウチーニョ(バルサ)
ジョルディ・アルバがマイナスに上げたグラウンダーのクロスをコウチーニョが落ち着いて決めるバルサお得意のパターンで先制点を挙げる。
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30分2−0 ルイス・スアレス(バルサ)
ジョルディ・アルバのグラウンダークロスに反応したスアレスをヴァランが倒してしまう。今シーズンからラ・リーガに導入されたVARによりPKとなり、スアレスが落ち着いて左隅に決める。
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5分2−1 マルセロ(マドリー)
深いところからイスコがあげたクロスがペナルティ・エリア内に溢れる。マルセロがそれを胸でうまく処理し、右足で決める。
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30分3−1 ルイス・スアレス(バルサ)
セルジ・ロベルトがあげた中途半端なクロスを、中央にいたスアレスが力強いヘディングで流し込む。クルトワは逆を突かれ反応しきれなかった。
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38分4−1 ルイス・スアレス(バルサ)
セルヒオ・ラモスが処理に失敗したロングボールをセルジ・ロベルトが見逃さず、スアレスにつなぐ。スアレスはキーパーが出てきたところを、チップキックで華麗にハットトリックを決める。
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43分5−1 アルトゥーロ・ビダル(バルサ)
デンベレがナチョをかわしてクロスを上げ、お得意の形で後ろから入ってきたビダルがヘディングで決める。
試合結果・総括
結果としては5−1の大差がつく試合となった。
お互いに世界トップレベルに相応しいと言えるプレーだったと言えるだろう。局面でのパスでの繋ぎや守備でのはめ込み方は見ていて非常に面白かった。後半25分頃までの実力のぶつかり合いも見ものだった。
それに加えて、監督同士の戦術の勝負が分かりやすい形で試合の流れと結果に出ていた。
2−1の状況で追加点がどちらに入るかによっては、試合の結果も変わっていただろう。そう考えると、どちらも紙一重の戦いであり、大敗したマドリーも必ずしも悪かったとも言えないと思う。
試合後日譚
就任してから3ヶ月ほどの試合の成績は非常に悪く、就任早々ではあるが、このエル・クラシコでの大敗の後にすぐ、マドリーのロペテギ監督は解任されることとなった。
後任としてはカスティージャの監督を務めていたサンティアゴ・ソラーリがトップチームの監督を務めることとなった。
試合動画
ハイライト
フルマッチ
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